夢から覚めたら……… 「おはよう、良く眠れた?」 にっこり微笑む彼がいた。 おはよう 前編 「……………」 「あれ? 寝ぼけているのかな……、木ノ宮くん?」 何故か無言のタカオの目の前で手をひらひらさせる、彼。 「………ぶるっくりん?」 「うん、おはよう………とは言っても、もう夕方だけれどね」 苦笑気味にブルックリンが言う。 彼の後ろを見ると薄くのびるあかむらさき色の端が暗い藍色へと変わりつつある。 「…夕方っつーか、もう夜じゃん」 「そう? でもまだ空の端……あっちの方は橙色だよ」 そう言って、指で示す。 気だるい体をゆっくりと起こすと、タオルケットがぱさりと落ちる。 「あ…ホントだ。まだオレンジ色だ〜」 間延びしたタカオの声に、静かに微笑むブルックリン。 彼の指の先は、確かに夕焼けの色だった。 昼と夜の狭間の時間の、彼と同じ色の空。 ふたりとも無言で夕焼け色の空を見る。 ゆっくり、ゆっくりと静かに、そして確実に、日が沈んでいく。 静かで、とても暖かな空気。 幸せだと感じる時間。その空間。 「……うーん、木ノ宮くん」 「う? 何? ブルックリン」 「………そろそろ食べようと思うのだけれど…」 いいかな?―― そう言って、笑うブルックリン。 言われて自分もお腹が空いていることに気付くタカオ。 「あっ、オレも食べる…てか、食べるなら作らなきゃ」 今日の夕食当番はタカオであったが、昼過ぎから今まで昼寝をしていたため、もちろん夕飯なぞ作っていない。 夕飯を急いで作るために、いそいそと立ち上がり、台所へ行こうとするが、その腕をブルックリンが掴む。 「? なに―――!?!?」 自分を引き止めた理由を聞こうとして振り向くが、そのまま唇を塞がれる。 「……んっ……!!」 突然の出来事に目を見開き、体を離そうとするが、ブルックリンはそれを許さない。 そして、一行に唇がふさがれたままで、キスなんてした事の無いタカオは、その息苦しさからか小さく呻く。 ブルックリンは、その時に僅かに開いた唇の隙間から、舌を滑り込ませて、タカオ口内を味わう。 「んっ……んぅ……!!!」 息のできない苦しさからか、それともはじめてのその行為からくる快感からか、タカオの呻きは止まらない。 満足したのか、タカオの唇から離れるブルックリン。 タカオは、やっと息が出来るようになって、肩で、全身で息をすう。 「な…なんなんだよ……いきなり!」 「食べようとしただけだけど?」 息の落ち着いてきた…でも頭の中は混乱中のタカオの問いに、笑顔でさらりと答えるブルックリン。 「は?」 ブルックリンの言葉の意味がわからないタカオ。 「そろそろいいかな…と、思って」 ブルックリンは少しずつタカオとの間合いを詰める。 タカオは無意識に後ずさる。 「??? 何言ってるのかわかんねぇよ」 「そうだろうね、でも――」 困惑した顔を見せるタカオを幸せそうに見るブルックリン。 カタンっ…と、壁と自分の間にタカオを閉じ込めて、綺麗に微笑む。 「今からわかるよ」 実は「とある夏の昼下がり」の続編だったりもします。 エロ度低め。そして、お約束。 続きます。 後編へ行く |
テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル